投機筋もギリシャ問題によるリスク回避を反映…2010/2/8
IMMポジションで円が買い越しに転じる
- 米雇用統計は失業率が予想より改善する一方、非農業部門雇用者数が予想より弱いなどまちまちの結果で反応しにくく、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)はギリシャ問題に関しても金融規制に関しても「内容が具体的でない」(国内金融機関)。
- 米商品先物取引委員会(CTFC)が発表したIMM通貨先物の取組(2月2日までの週)によると、円が12月15日の週以来の買い越しに転じた。
- 一方、ユーロの売りは膨らんでおり、市場関係者によると過去2年間で最大の水準。投機筋のポジションもギリシャ問題によるリスク回避を反映した結果になっているという。
- 「IMMの投機ポジションではユーロ売りが極端に膨らんでおり、ポジションの傾きが意識される。週足の一目均衡表も下抜けをぎりぎり回避しており、下値がサポートされる可能性が出てきた」(国内金融機関)
- 一方で「チャート・ポイントなどをにらんで買い戻しを探る動きはこれまで何度かあったが、すべて失敗だった」(大手銀行)と、これまでの経験則を押し流すユーロ売りの強さを指摘する声も出ている。
ユーロの下げが止まらない。先週末の米雇用統計発表もG7も、影響度が限られている。ここまで一方方向に下げるユーロには不気味さも伴う。
リスク回避で大きく下げている豪ドルの行方も気になるところ。オーストラリアのラッド首相は「オーストラリアの失業率は低い水準で底を打ったもよう」と発言したとか。11日に発表される豪雇用統計が注目される。
市場の投機筋の縮図と言われるIMM(International Monetary Market of Chicago Mercantile Exchange)ポジションの日本円/米ドルとユーロ/米ドルを載せてみた(最新データ)。(編集部)