リスク懸念後退、堅調な株価背景にユーロ買い…2010/6/16
リスク懸念後退、堅調な株価背景にユーロ買い
- 東京外国為替市場ではユーロが対ドルで約2週間ぶりの高値付近で推移している。
- 堅調な株価を背景に投資家のリスク許容度の改善が意識されるなか、ユーロの売り持ち高の解消が進んだ海外市場の流れを引き継いでいる。
- 投資家のリスク志向が改善するなか、外国為替市場ではユーロの買い戻しが進んだほか、商品相場の上昇を背景にオーストラリア・ドルやカナダ・ドルなど資源国通貨が上昇。
- 16日の東京株式相場も続伸して始まっており、目先は高金利通貨を買って、円やドルを売る動きが続くと予想されている。
- 16日の東京外国為替市場では、クロス円が戻り売りをこなしながら上昇余地を探る展開となりそうだ。
- クロス円は前日欧米時間での上昇幅が大きかったため、東京時間は利益確定の売りに押される場面も想定されるが、利食いをこなし一段の上昇となるかに注目したい。
積み上がったユーロ売りが吐き出されている様相。スペイン、ベルギー、アイルランドの国債入札が好調だったとはいえ、一時的な懸念後退でしかない。戻り売りのエネルギーも相当なものかもしれない。
昨日発表されたドイツの景況感調査-6月は市場予想を大幅に下回っていたし、同じく昨日発表のユーロ圏の貿易収支-4月もまた、市場予想を大幅に下回っていた。差益を狙うFXにとって変動はチャンスだが、今のところ初心者には不向きかもしれない。
投資家のリスクテイクの度合い、株価の影響が最近の為替相場を大きく左右している。ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドル、ナスダック、日経平均、ロンドン金の推移を、3カ月前を基点にして重ねてみた。安全資産の金価格の高騰、ナスダックの上昇に素直に反応している資源国の豪ドルが印象的だ。(編集部)