ギリシャ国債格下げで円買い・ユーロ売り…2010/6/15
ギリシャ国債の格下げを背景に円買い・ユーロ売り
- (海外市場では)米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスはギリシャ国債の格付けを「投機的」とされる等級へ4段階引き下げた。欧州の財政問題が改めて意識され、円買いにつながった。
- (東京市場では)「ギリシャ国債の格下げはある程度想定されていた」(国内大手銀行ディーラー)との声も多く、一段のユーロ売りは広がらなかった。
- (アジア時間のユーロについて)「積み上がったユーロのショートポジションが意識され、一時の下値不安は後退している」(別の国内金融機関)
- 「金融危機であれば公的資金の投入で対応できるが、ソブリンリスクは即効性のある対応がなく、時間をかけて財政を改善するしかない。同じような問題は緊縮財政政策を発表したポルトガルやスペインなども抱えている」(みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏)
- (ポルトガルやスペインの問題について)「現在はユーロのショートポジション積み上がりを背景にした買い戻し局面にあるため、これらの材料への反応は限られている。しかし、買い戻しが一巡したあとは、これらを材料に戻り売りが起きるのではないか」(同氏)
下値が見えないと言われていたユーロが悪材料に反応しにくくなっているそうだ。異常に積み上がった投機筋の売りポジションがその根拠らしい。
ここからは大きく下がらないというのが、ユーロの買い持ちをしているFXユーザーの読みだろう。欧州の景気見通しは依然不透明で、当分上値は限られている。乱高下で資金を失わなわないように「まさか」を想定した資金管理を徹底したい。
以下は外為どっとコムのユーザーのユーロ/円の注文情報。青塗りつぶし=売り指値、青白抜き=売りストップ、オレンジ塗りつぶし=買い指値、オレンジ白抜き=買いストップ。「111円で買って112円で売りたい」と読める。(編集部)