豪ドル急伸、NZ中銀はリーマンショック後初の利上げ…2010/6/10

豪ドル急伸、豪雇用統計が事前予想を上回る

• オーストラリア連邦統計局が発表した５月雇用統計によると、就業者数は季節調整済みで前月比2万6900人増と事前予想の1万7800人増を上回った。
• 失業率も5.2％と予想の5.4％を下回った。
• クレディスイスの試算によると、豪金利先物市場が織り込む利上げ確率は次回会合、１年後ともに指標発表前と大きく変わらず。

（豪利上げは遠いとの見方、中国5月輸出はほぼ直前報道通り | REUTERS）

• 中国税関当局が10日に発表した5月貿易統計は、195億ドルの黒字となった。輸出総額は前年同月比48.5％増（市場予想：同32.0％増）、輸入総額は同48.3％増（市場予想：同44.7％増）となり、特に輸出が予想比で強い結果となった。

（中国の５月貿易統計は輸出が前年比48.5％増、市場予想大きく上回る |MORNINGSTAR ）

欧州不信の影響によるリスク回避で、大きく下げ幅を広げていたのが豪ドルだが、アップトレンドが始まった気配。オーストラリア経済を牽引するのは中国の旺盛なコモディティ需要。 オーストラリアの輸出相手国のトップは中国、続いてインドや韓国の比率が急増している。資源国は強い。（編集部）

NZドル、3年ぶり利上げで対ドルで1週間ぶり高値

• ニュージーランド準備銀行（中央銀行）は日本時間10日早朝、政策金利を0.25％引き上げた。利上げは3年ぶり。
• NZ中銀のボラード総裁は声明で「一段の刺激策解除は経済と金融市場次第」とした。市場でも、引き続き追加利上げを予想する声もあるが「様子見ムードも強まってきた」（外銀）との見方もあった。

（NZドルが対米ドルで1週間ぶり高値、次回利上げは不透明 | REUTERS）

• （ニュージーランドの）3年ぶりの利上げは、長く続いたリセッション（景気後退）から回復するニュージーランド経済がさらに勢いを増すなか、実施された。
• ニュージーランドドルは中銀の利上げを受け、約0.6720米ドルと約0.005米ドル上昇した。金利先物市場は一時大幅下落していたが、下落幅を8ベーシスポイント（bp）に縮小した。
• クレディ・スイスのデータによると、金融市場は利上げの確率を74％織り込んでいたが、今後12カ月間の利上げ幅の予想は、利上げ発表前の163bpから145bpに縮小した。

（NZ中銀が2.75％に利上げ、市場の動向で追加も | REUTERS）

ニュージーランドの貿易相手国のトップはオーストラリア。ボラードRBNZ（NZ準備銀）総裁の「輸出主導のより広範囲な回復が見られる」「オーストラリアの状況とは非常に異なる」という発言の意味を注意深く読みたい。（編集部）

人気の豪ドル/円の行方が気になる

FXユーザーの買いポジションが急増している通貨が、ユーロと豪ドル。今夜21:30のトリシェECB総裁の記者会見を控えて東京市場のユーロは方向感が出にくい様子だが、豪ドルはアップトレンドが始まった気配。相場予測ツールぱっと見テクニカルの形状比較分析で豪ドル/円の10分足を表示してみた。（編集部）