ユーロ/ドルが4営業日続落、1年2カ月ぶり安値圏…2010/5/14
ユーロ/ドルが1年2カ月ぶり安値圏、下降スピードに警戒感も
- 午前の東京外国為替市場では、ユーロがドルに対して1年2カ月ぶりの安値圏。ユーロ圏で財政赤字の削減計画が打ち出される中、国民の抗議行動が警戒されるなど景気の先行き不透明感が根強く、ユーロに売り圧力が残った。
- ユーロ/ドル相場はユーロが4営業日続落し、早朝の取引で一時1ユーロ=1.2516ドルと、昨年3月5日以来の安値を更新。
- 市場の話題は(ユーロ/ドルの)1.2500ドル及び1.2450ドルにあるとされるオプション関連のトリガー。「マーケットはそれらのバリアを目指し、挑戦するムードになっている」(邦銀)とされ、一部の短期筋は株安や欧州関連のニュースをきっかけにトリガーを狙ったユーロの売り仕掛けに動いているという。
- 「ユーロの問題が根深いのは分かっているが、ユーロ売りは最終ステージに差し掛かったとみている。1.25ドルを割り込んで1.24ドルまたは1.23ドル台に下落する過程で、ユーロはセリング・クライマックスを迎え、その後は底値もみあいに転じると予想する」「数日中に最終的な下げ局面を迎える可能性がある」(三菱UFJ証券・クレジット市場部・為替課長の塩入稔氏)
- バークレイズ・キャピタル証券が今週前半に実施した国内投資家への調査で、欧州債の人気が米国債を約3年7カ月ぶりに下回った。
- 今回の投資家調査では、欧州当局がまとめた救済策で域内の財政問題が解決に向かうとの回答は43.8%にとどまった。
- ギリシャの財政危機が他のユーロ加盟国に波及すると懸念する投資家は75%。
ポルトガルの緊縮財政策、スペインで予定されている労働組合のスト、死亡者まで出たギリシャのデモ…ユーロ人気が下がるのは当然。
有事のフラン買いという言葉があるが、またもやユーロは対フランで大きく下げ、スイス中銀の介入を警戒する声も出ているという。安全資産を代表する金価格の上昇もユーロが売られて金が買われているのだとか。
ユーロ売りの先に仕掛け売りが控えているとなれば、下がり始めると一気に下がることになる。しかしながら「下値で買い」となりにくいのが今のユーロだ。
市場の構造が変わってしまったようだが、やはり過去のデータと照らし合わせてみたい。相場予測ツール『ぱっと見テクニカル』の形状比較でユーロ/ドルを表示してみた。形状の一致率97%のチャートはサブプライム問題がリーマンショックへと歩を進めていた時期だった。(編集部)