ギリシャ格下げで円高、今夜のFOMCの影響は?…2010/4/28
ギリシャ格下げでリスク回避進行、円高
- (東京市場では)ギリシャのソブリン格下げをきっかけに前日大幅安となったユーロは早朝に1年ぶりの安値となる1.3144ドルを付けたあと、小幅に反発している。
- 「前日は格下げ報道をきっかけに、欧米株が急落したことで、リスク回避の流れとなり、円が全面高になった。きょうもアジア株が下げ幅を拡大すれば、クロス円を中心に円高が進みやすい」(外為アナリスト)
- 「(ギリシャの格下げについて)現時点で3段階の引き下げというのはかなり厳しい判断だし、さらなる格下げの可能性も残る形になっている。市場の懸念材料としての重みは従来考えていたよりも重くなってしまったというのは事実だ」(日興コーディアル証券国際市場分析部の為替ストラテジスト、松本圭史氏)
- 「とはいえ、今後は厳しい債務削減策が見込まれるうえ、2011年以降に向けた中期にわたってのビジョンも持たざるを得ない状況になっている。将来的にさらなる格下げは考えにくく、ギリシャ問題はかなり終盤に近いイメージを持っている」(同)
- 「ユーロ売りが大きく進んだため、いったん買い戻しが起きてもおかしくはない。」(バークレイズ銀行 チーフFXストラテジスト・山本雅文氏)
- 「EU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)がギリシャへの融資実施に向けた取り組みを加速させれば、ユーロ・ドルは自律反発以上に大幅に上昇する可能性がある。」(同)
ギリシャ債はジャンク債に格下げされた。さらにポルトガルの格下げで市場はリスク回避、安全資産として金・ドル・円が買われる展開。投資家がリスクを取りにくく株価が下がることで、多方面に影響が出るはず。
今朝発表されたオーストラリアの消費者物価指数(CPI)は予想を上回り、追加利上げ期待の高まりで豪ドルの上昇となったが、上値は限られているという。ゴールデンウィーク中の5月4日にはオーストラリア準備銀行(RBA)の金融政策会合が予定されている。(編集部)
今夜のFOMC政策金利の発表と声明に集まる注目
- 「27日のNY時間はギリシャの財政問題に対する懸念が高まったことで米国債に資金が流入し、米金利低下を受けてドル・円は下落した。」(バークレイズ銀行 チーフFXストラテジスト・山本雅文氏)
- 「(FOMCの声明文では)低金利政策を長期間継続するとの文言は据え置かれるとみている。景気判断は上方修正される可能性が高いが、ドル・円の値動きに大きな影響は与えないだろう。」(同)
今夜27:15に発表されるFOMC(連邦公開市場委員会)声明の表現のニュアンスに市場の注目が集まっている。「金利を長期間(extended period)異例に低い水準に維持」は変更無しとの予想については勿論、それ以外のディティールについてだ。米雇用に関する表現、経済全体についての表現、買い取ったモーゲージ担保証券の処遇などに市場が反応するとのこと。
過去の経済指標発表時の値動きを参考にできる『ファンダメンタル図マップ』で過去のFOMC政策金利発表時のドル/円を表示してみた。37~68pipsと大きな値動きがあった事がわかる。(編集部)