ドル買い地合い、米雇用統計の背景も…2010/3/31
ドル買い地合い、米雇用統計の背景も
- ドル円は、前日の海外市場でドルが買われた流れを引き継いだ上、実需筋によるドル買いが加速。
- 「期末を迎え、レパトリエーション(資金の本国還流)の動きがはく落した分、ドル買いの勢いが強まった。ドルは買われやすい地合いになっている」(大手邦銀)
- (ドル/円は)期末をにらんだ輸入企業のドル買いをきっかけに投資家など幅広い買いが活発化。
- 「来年度をにらんで本邦投資家のドル買い意欲が強いとみられ、これが前倒しで出てきている面もありそうだ。テクニカル的にも強いサインが増えており、レンジが切り上がる可能性が出てきた」(国内金融機関)
- ドル高がトレンドになるかどうかを見極めるには、きょうのドルを押し上げたフローのうち、期末需給を除いた「投資家の動きが新年度以降、どの程度本格化するかがポイントになる」(国内金融機関)
- 「雇用統計への期待で米国金利はすでに限界近くまで上昇してしまった」(邦銀)とみる声が出ており、雇用統計が強い内容でも米金利の追加的な上昇が鈍ければドル/円の押し上げ効果も限られるとの見方も出ている。
- 今週発表される3月の米非農業部門雇用者数が3年ぶりの大幅な伸びになるとの予想を背景に、円相場はドルに対して一段と下落するとの見方を、ミレニアム・アセット・マネジメントが示した。
- (世界的な利回り上昇や日本からの資本流出、日本の財政の脆弱性で)「ある時点で円が広範な通貨に対して大幅に下落するというのは幅広いコンセンサスになっている」(ミレニアムの為替ファンドのエグゼクティブディレクター、リチャード・ベンソン氏)
ドル/円は好調な米経済指標を背景に急伸。テクニカルは上昇トレンドに入って来た様子。今夜21:15のADP雇用統計発表は週末の雇用統計を占う注目度の高い指標。明朝発表される日銀短観や国内輸出入業者が設定するドル/円レートも気になる。
雲を抜けて上昇トレンドを描くドル/円の日足チャートにスパンモデルを表示してみた。(編集部)