ドル/円底堅い、EU首脳会議IMF関与に合意…2010/3/26
ドル/円底堅い、米雇用統計を織り込む動き
- 26日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米長期金利の上昇を背景に一時、1ドル=93円台に迫った海外市場の堅調地合いを引き継ぎ、続伸した。
- 市場関係者は、最近のドル円上昇について「大幅改善が期待される来月発表の米雇用統計を織り込む動きだ。輸出企業による年度末の円買い需要も、はげ落ちてきている」(欧州系証券)と話し、下落リスクの低さを指摘。
- 「期末接近で、東京市場では輸出の売りが出るためドルの上昇がストップした。日中を通じて上値が重そうだ。ただ、海外勢のドル買いが強いため、海外時間には買い直されるだろう」(邦銀)
- (きょう発表された日本のCPIを受けて)「デフレ基調が続いている一方で、米国金利の上昇もあって金利差がついてきた。実需売りが一服する4月以降、ドル/円は1月高値(93.78円)をクリアできれば95円が現実味を増す」(国内銀行)
- みずほコーポレート銀の宮地氏は、米国債の入札が不調だったということを受けて、米長期金利が上昇しているが、指標改善などによる「良い金利上昇」とは違うため、さらにドル・円を買い上げる材料にはなりにくいとみている。
- バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は25日、下院金融委員会で、「米経済には引き続き緩和的な金融政策の支援が必要だ」と言及。
- 経済協力開発機構(OECD)は日本の潜在成長率が先進7カ国(G7)で最も低くなると予想し、鳩山政権の成長目標に疑問を呈している。
- OECDは、鳩山政権が生産性向上と加盟30カ国で最も高い法人税率の引き下げ、外国投資の規制緩和にもっと重点的に取り組むべきだとしている。
中期的にはドル/円は上昇トレンドと見て良さそう。理由の良し悪しは別として。
改善が予想されている米雇用統計の発表まで、あと1週間。一気にトレンド感が出るかどうかを注視したい。昨日のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の下院金融委員会での証言は、出口戦略についてはひき続き慎重だった。(編集部)
EU首脳会議IMF関与に合意でユーロ買い戻し
- 午後の東京外国為替市場では、ユーロが本日の高値圏で推移している。欧州連合(EU)首脳がギリシャ支援策で合意し、目先の不透明感が後退したことが、ユーロの買い戻しにつながっているという。
- ブルームバーグ・ニュースが入手した声明の草稿によれば、首脳らは「景気の状況は改善しつつあるものの、回復は依然として脆弱だ」とし、「われわれは現在、過剰な水準の債務と構造的成長の弱さ、高い失業率に直面している」との見解を示す。声明はブリュッセルでの会議後に発表される。
- 「ユーロの方向感が下であることは変わらない。ギリシャを足元の材料にはしているが、参加者の関心はギリシャから欧米間の景気格差に移っており、ファンダメンタルズをにらんだユーロ売りになっている」「ユーロの下落トレンドが転換することはない。ユーロ/ドルはリーマン・ショック後の安値である1.23ドルを目指す可能性がある」(ドイツ証券シニア為替ストラテジスト、深谷幸司氏)
ユーロ/ドルにしても、ドル/円にしても、大きな流れは急には変わらない、押しつ戻しつに一喜一憂しながら風向きが変わる。が、FXユーザーは積極的で、且つ上手くなって来ている。
外為どっとコムのユーザーの昨日の売買比率を載せてみた。円高が進んだ昨年11月にはドル/円の買いが90%近くだったが、昨日は67.1%。今年に入って急激に下げたユーロ/ドルの買いは11月には30%以下だったが昨日は76.4%となっている。(編集部)