ドル、上値に実需の売り・下値に海外勢の買い…2010/3/9

ドル90円前半もみ合い、上値の売り・下値の買い

• 一時の買い戻し歩調が落ち着き、方向感が見極め難くなってきたドル円相場だが、バークレイズ銀行東京支店の逆井雄紀氏は、ドル円は過去3カ月の高値から安値を引いた「3カ月レンジ幅」の上限93円77銭を「早晩上抜ける可能性が高い」と指摘。
• 下限の88円14銭を下抜けてもテクニカル的に合理的だが、年度末のドル買い需要やFRBの資産買い取り終了、天候改善による米景気進展、米金融引き締め観測を考え合わせると、上放れ間近の結論になるという。

（ドル反落、９０円台前半＝ギリシャの財政懸念根強く | 時事ドットコム）

• 「上値には実需の売りと利食いの売りが出ている。一方で、90円前後には海外勢の買いが入っており、すぐに90円を割り込むムードでもない。新たな材料がないなかで、様子見ムードになっている」（セントラル短資FX執行役員、武田明久氏）
• 「（個人投資家は）ドル/円のほか、豪ドル/円、ニュージーランドドル/円など幅広く、下値で買った分の利食い売りに入っている。資金をうまく回転させているようだ」

（東京外為市場・午前9時＝ドル90円前半、様子見ムード | Reuters）

先週末の米雇用統計が悪天候にも関わらず予想を上回り、市場はリスクテイク方向にシフトし、世界的な株高となった。株高はドル高円安となる傾向がある。上値に売りと下値の買いで、小動きというのが市場の予想のようだ。株価にも注目していたい。

本日の注目材料はギリシャのパパンドレウ首相とオバマ米大統領およびガイトナー米財務長官との会談。（編集部）

豪ドル、経済指標の強さで4月の追加利上げ期待

• 9日午前のシドニー外為市場で、豪ドルは対米ドルで序盤下げたが、経済指標の強さで4月の追加利上げ観測が強まり切り返した。
• オーストラリア・ニュージーランド銀行（ANZ）が発表した2月の豪求人広告件数は前月比19.1％増と大きく伸び、ナショナル・オーストラリア銀行（NAB）の豪企業景況感指数も過去最高の水準に上昇した。
• RBAは3月、昨年10月以来4度目の利上げを行い、政策金利を0.25％引き上げ4％とした。市場は年末までに5％に上昇すると見ている。

（シドニー外為・債券市場中盤＝豪ドル切り返す、債先は軟調 | Reuters）

市場がリスクテイクとなってもユーロの支援材料は不安定。伸び悩むクロス円の中、豪ドルには強い材料が出揃った。米雇用統計を消化して小動きになっている相場に、ちょっとした刺激になったか…？

以下にドル/円と日経平均・NYダウ・ジャスダック・ナスダックの比較チャートを載せてみた。2009年以降の円高との関係が興味深い。（編集部）