ドル/円は安値圏、米雇用関連指標を控える…2010/3/3
ドル売り材料あれこれ、結果的にポジション調整の域
- 英ポンドの上昇をきっかけに始まったドル売りは一服。ドル/円は2カ月ぶり安値から88.70円付近へ切り返し、ユーロも1.3630ドル付近へ反落。
- 「(ユーロや英ポンド買い、ドル売りは)ポジション調整の域を出なかった」(邦銀)
- ドル/円は朝方につけた2カ月ぶりの安値から反発したものの、上値の伸びも限定的。
- ドルの下値では実需のドル買い/円売りも観測され、ドルは底堅い展開となっている。
- 市場では、ギリシャ救済をめぐる楽観論が広がっているが、市場の不安心理を映すVIX指数.VIXは2月初旬をピークに下落傾向が続いている。
- (大手ファンドのユーロ売りに関して)米司法省がファンドを調査との報道についても「外為市場でユーロを売り込むことに法的な問題はないはず」(外銀)と冷静な受け止めが多い。
急激であるほど、戻しも激しいのが相場の常。特にユーロは激しく売り込まれていて不安定だ。ギシリャ救済のちょっとしたポジティブ要素で大きく動いてしまう。ユーロがらみのポジションには冷静さと資金管理が要になりそう。(編集部)
米国の雇用関連指標が目白押し
- 今週はきょうの2月全米雇用報告(ADP)、4日の米新規失業保険申請件数、5日の2月米雇用統計と、米国の雇用関連指標が目白押しだ。
- 市場はこれらの指標が大雪の影響である程度下振れすることを織り込み済みだが、さらに大きな規模での下振れを予想する参加者もいる。
- 「サマーズ氏(米国家経済会議委員長)も警告しているように、雇用統計の下振れは相当の幅でありうる。これを受けて米国債5年物利回りは2.2%を割り込み、ドル/円相場も1円ほど下落余地が生じる可能性がある」(野村証券・金融市場調査部の外国為替アナリストの池田雄之輔氏)
- 「市場も悪天候の影響で指標が弱含んでいることは多少織り込んでいると思うので、少し悪いぐらいだとあまり反応しないかもしれないが、大幅に悪いと金曜日の米雇用統計も悪いのではないかという連想が働く。特にドル・円相場は指標と相関が強いので、予想よりも低く出ると下がる可能性がある」
米国の雇用関連指標の弱含みを織り込んでドルは下膨れぎみだとか。それでも、大雪の影響で前例にないほどの不透明感だというから、結果が予想以上に悪ければドル売りが加速するかもしれない。ユーロは小康状態とはいえ、問題は根深い。結果、円高ということか。(編集部)