ギリシャ救済は不透明、チリ大地震で豪ドル上昇…2010/3/1
ギリシャ救済は不透明、ユーロの上値は限定的
- ギリシャの財政問題で、ドイツの政府系金融機関によるギリシャ国債購入の可能性も報じられ、ユーロドルの買い戻しが進行。
- 「あくまで検討中の話であり、実現するかどうかは不透明。内容についても資金繰りを支援するだけで、財政問題の根本的な解決にはならない」(シンクタンク)
- (ユーロ/ドルは)早朝の取引で1.36ドル半ばへ上昇した場面では、週末に複数あった独仏などのギリシャ救済をめぐる報道が話題となったものの、「実現可能性はもちろん、実際にそれが行われたからといってギリシャ問題が根源から解決するのか」(都銀)と懐疑的な見方が根強く、その後は上値の重い展開となった。
リスク回避が緩和される兆しが見え隠れしながら、やはりユーロを支える材料は見つからないようだ。先週末の弱い米中古住宅販売件数、新規失業保険申請件数はドル売り材料。今週末は米雇用統計~非農業部門雇用者数、失業率2月~の発表を控えている。リスク回避が進むのか、緩和されるのか、注意したい。(編集部)
チリ大地震で豪ドル上昇、明日の利上げ期待も
- 豪ドルが堅調。チリの大地震の影響で、商品価格が上昇しているしていることがサポート。チリは輸出品目の約50%を鉱産物(銅・鉄)を占めることから、コモディティの需給ひっ迫懸念があるもよう。
- チリ大地震を受けて銅価格が急騰した。世界最大の産出国であるだけに、地震の影響が長期化した場合に産出量が減少するとの思惑が先行し、コモディティ市場では銅が買い進まれている。
- ただ、鉱山の操業停止などの影響が軽微であることがわかってきた場合、銅の値上がりは短期的現象にとどまるとの見方も出ている。
- 2日12:30にRBA(豪準備銀)が政策金利を発表する予定。事前予想では0.25%引き上げ4.00%にするとの見方が優勢だが、3.75%で据え置くとの予想も根強い。
- RBA(豪準備銀)のバッテリーノ副総裁は23日に「豪ドル上昇は資源ブームでの“インフレ圧力を抑制”するうえで重要」と述べ、通貨高を容認する姿勢を示した。
- スティーブンス総裁も19日に「通貨高が“インフレ抑制”を手助けする」と指摘しており、通貨高容認の理由を何れも「インフレ抑制のため」としている。
チリ大地震の影響は短期的かもしれないが、明日の政策金利引き上げ期待は強い。RBAの要人の豪ドル高容認発言を素直に聞けば、据え置きとなるのだが…。本日は、ソブリンリスクの次のターゲットとも報じられているポンドに対して豪ドルは25年ぶりの高値をつけたとか。
下記は、この1年間のドル/円、ユーロ/ドル、ポンド/ドル、豪ドル/ドル、豪ドル/円のレートの推移。豪ドルは高値圏では対ドルで40%以上、対円で約30%以上も上昇している。(編集部)