大手ヘッジファンドのユーロ売り拡大?…2010/2/26
ユーロ安継続、大手ヘッジファンドの売り拡大
- ウォールストリート・ジャーナル紙は25日、一部の大手ヘッジファンドが、ギリシャの債務危機を理由に、ユーロ売りのポジションを膨らませていると報じた。
- SACキャピタル・アドバイザーズ、ソロス・ファンド・マネジメントなど、大手ヘッジファンドの関係者は2月8日にニューヨークで開かれた夕食会に参加、その際、一部の参加者は、ユーロが1ユーロ=1ドルまで下落する可能性が高いとの見方を示したという。
昨日に対ユーロで1年ぶりの円高を更新した反動が出たものの、ユーロについては先安感は否めない。一方、ユーロは対ドルでは膠着状態を示している。米経済指標の悪化やFRBバーナンキ議長の発言を嫌気したドル売りも根強い。来週の米雇用統計発表の前後が気になる。(編集部)
ユーロ、米ドルのこれからは…
- ギリシャ政府は、3月16日までに財政赤字削減策(行程表)の提出を求められている。
- 今後予想されるシナリオは第1が「ギリシャ政府が打ち出す具体策が市場の信頼を得て、市場からの資金調達が可能になる」、第2は「具体策が市場の信頼を得ないが、最終的には思い切った赤字削減策が盛り込まれ、市場からの資金調達が可能になる」、第3は「具体策が市場の信頼を得ず、EUはより厳しい赤字削減策を条件に財政的な支援に乗り出す」(大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長)
- 「楽観シナリオの第1は実現性が低く、第2か第3の可能性が高い」(同氏)
- 「第2のケースは、当初株価やユーロが売り込まれるが、政府がその後に思い切った策を出すことで行程表発表を待たずに市場は反発に転じる。」(同氏)
- 「第3のケースでは、EUの支援が発表されるまで市場の下落が続く『催促相場』になりそうだ」(同氏)
ユーロが市場を左右している状況は相変わらずだが、米ドルの動きも重要だ。今夜の22:30以降には米経済指標発表が目白押し。第4四半期GDP、第4四半期個人消費、ミシガン大学消費者信頼感指数、中古住宅販売件数など注目材料が24:00まで続く。
円高がどこまで進むのか…少なくとも対円でのトレンドは明快なようだ。(編集部)