マーケットをイッキ読み
ユーロ売り拡大、複数の売り材料で…2010/2/18
ユーロ安・円高リスクも消えていない
  • 「欧州の一部諸国の公的債務問題への懸念は依然強く、再びユーロが下落しており、ユーロ安・円高リスクも消えていない」(三菱UFJ証券投資情報部長の藤戸則弘氏)
  • 「ギリシャ問題は過剰反応との見方もあるが、積極的な財政出動の結果、多くの先進国でも財政収支は悪化している。一方で経済の回復が鈍く税収の大幅増は期待しにくい。過剰債務をギリシャだけの問題として軽視することはできない」(準大手証券ストラテジスト)

ギリシャ債務問題が一服、方向感ない東京市場 | Reuters

ドル上昇圧力の高まりでユーロ安進行
  • 海外市場で大幅なユーロ安が進んだのは、ドル上昇圧力の高まりにあったとされる。
  • 予想を上回る米指標や、1月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録のタカ派な内容などを受けて米金利が上昇。ドルに幅広く買いが集まったためだ。

ギリシャ債務問題が一服、方向感ない東京市場 | Reuters

  • (ユーロは対ドルで)これまでユーロを買い上がった向きが損失確定の売り戻しに動くストップロスを巻き込んだほか、前日からユーロが大きく下落した流れを引き継いで「短期筋のユーロ売り仕掛けも続いている」(邦銀)という。
  • 「ユーロ/ドルの下落局面でユーロ/円の投げ売りもかなり出ている。今回の下落は134円台から120円台までつるべ落とし的なもので、反発すれば必ず戻り売りが出てくる。ユーロ・ロングでつかまっている投資家やファンド勢がかなり多いのだろう」(投資顧問マネージャー)
  • 「ロングで損失が出ている参加者が多いのはユーロ/円に限らず、豪ドル/円など他のクロス円も同じ状況だ」

ユーロは1.35ドル後半、欧州時間に1.35ドルのオプションを目指すか注目集まる | Reuters

中国人民元切り上げ観測もユーロ売りの口実
  • 海外市場の取引では、 米中ビジネス評議会(USCBC)幹部のジョン・フリスビー氏が討論会で「今年、中国人民元の上昇が再開するだろう」との見通しを示したことが、人民元切り上げ期待の高まりとともに、ユーロ売りの手掛かりになったとの声が出ている。
  • 米戦略国際問題研究所(CSIS)のチャールズ・フリーマン元米通商代表部(USTR)中国担当次官補も同日、中国が今年、08年半ば以来初めて元を上昇させる公算が大きいと発言している。

ユーロは1.35ドル後半、欧州時間に1.35ドルのオプションを目指すか注目集まる | Reuters

人民元が切り上がりドル安が軽減され、ユーロ売りが進むというシナリオのようだ。これまで「ドル安ならユーロ買い」と素直に動いていた構図に変化が起きるのかもしれない。事ある毎に、中国が世界経済を牽引している姿を実感する。(編集部)

ユーロ/ドルのチャートを平均足と一目均衡表で

以下は、2月17日の急激なユーロ買い戻しから現在のユーロ売り拡大までのチャート。ローソク足よりトレンドが見えやすい平均足で一目均衡表を表示させた。2月17日の18:00で平均足は下降トレンドの青に変わり、2月18日の2:00で一目均衡表の雲を下抜けた。はっきりしてドラマチックなチャートだ。

※一目均衡表:雲(薄い灰色またはオレンジの部分)を上抜けると上昇トレンド、下抜けると下降トレンドと見る。


出典:エースでねらえ!FX 平均足チャート
  • キャンペーン
  • セミナー
  • マーケットをイッキ読み
  • 経済指標発表スケジュール
  • ブログパーツ
  • FXの書籍・DVD