ユーロ軟調継続、豪ドルは雇用統計改善で上昇…2010/2/12
ギリシャ支援の不透明さでユーロ軟調継続
- 東京外国為替市場では、ユーロが安値圏で推移。財政危機に直面しているギリシャ向け支援に不透明感が残るなか、ユーロの上値が重い展開が続いている。
- ギリシャ支援をめぐり市場で注目された欧州連合(EU)首脳会合では、ギリシャの経済状況をより厳重に監視することが必要との見解で合意するにとどまり、具体的な支援策の提示には至らなかった。
- 「為替(市場)では、(ギリシャへの)金融支援が含まれなかったことで、ユーロの一段安を招いたと言われるが、後付(あとづけ)的な講釈だ。ユーロを売りたい投機筋主導の値動きだった」(あるファンドマネージャー)
- 「EUの支援姿勢が明らかになった以上、いざというときのバッファーは確保されている。ユーロ/ドルは5日と11日に1.36ドル割れまで売られたが、市場がこのまま落ち着くようなら、この付近の水準で底打ちとなる可能性もある」(JPモルガン・チェース銀行・債券為替調査部長の佐々木融氏)
- 「合意以前から、救済すれば財政規律が弱い国を助け、強い国を巻き込むという観点、モラルハザードの問題が指摘されていた。支援内容は具体策に欠け、これによってユーロの売り圧力は収束しないだろう。具体策は3月のEU首脳会合まで出ないとの見方もある」(バークレイズ銀行のチーフFXストラテジスト・山本雅文氏)
欧州連合(EU)臨時首脳会議の結果は、具体性の無さから希望的観測への失望感を誘ったようだ。いずれにしても、しばらくはギリシャ問題に端を発するユーロ安地合いに変化は起きそうもない。
専門家の意見も交錯しているようだ。ここは、細かく追いかけるか、長い目で見て仕込むか…。15日は米国市場が祝日で休場となる為、NY時間には連休前モードにも注意したい。22:30に発表される米小売売上高とミシガン大学消費者信頼感指数-2月は市場予想では改善が見込まれている。(編集部)
オーストラリア雇用者数はこの3年余で最大の増加
- オーストラリア統計局が11日発表した雇用統計によると、1月の雇用者数は前月比で5万2700人増加と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の予想中央値(1万5000人増)を3倍余り上回った。失業率は5.3%と前月の5.5%から低下し、11カ月ぶりの低水準となった。
- 雇用ブームはRBAのスティーブンス総裁に対して利上げ再開の圧力を強めつつある。トレーダーらの見方では、RBAが来月政策金利を0.25ポイント引き上げて4%とする確率は倍に高まっている。
- (オーストラリア株式は、雇用データが予想以上の回復を見せたことを受けて)取引終了時のS&P/オーストラリア証券取引所200銘柄の基準指数は40.9ポイント・0.91%上昇の4554.3ポイント、全株価指数は42.8ポイント0.94%上昇し4575.8ポイントとなった。
ユーロ不信、リスク回避が継続する中、豪ドルが期待を集めている。オーストラリアは着々と力を蓄えているように見える。中国の金融引締めに注意を払いながら期待する、というのが妥当かもしれない。(編集部)