ユーロ軟調続く、米株は演出された上げ相場?…2010/1/20
ユーロは全面安、独景気期待指数悪化で
- 19日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロが幅広い通貨に対して下落した。ドイツの欧州経済センター(ZEW)が同日発表した1月の独景気期待指数が前月から低下したことに加え、ギリシャの債務問題がくすぶり続けるなか、ユーロ圏の他の財政基盤の弱い国の赤字拡大がユーロを圧迫し続けるとの懸念が強まった。
- アナリストは、ギリシャやその他の欧州連合(EU)加盟国の拡大する財政赤字への対処能力をめぐる懸念に加え、欧州の経済成長の足取りが重いことがユーロの圧迫要因になると指摘している。
東京為替市場も、海外市場の流れを引き継ぎユーロは全面的に軟調。
中国の第4四半期のGDPが2ケタ成長との市場予想で、中国の金融引き締め進行が嫌気されている様子。市場では資源国・高金利通貨を売り、ドルを買う動きが出ているとか。
豪ドルは対ドルで大きく値を下げた。オーストラリアは中国を最大の貿易相手国としてコモディティを大量に輸出している。ただ、今朝発表された豪1月ウエストパック消費者信頼感指数は2009年7月以来の伸び率の5.6%で、利上げ予想は強まったとか。(編集部)
米株の上昇は「演出された上げ相場」との見方も
- 米国では前日、発表された米大手金融機関シティグループの昨年10~12月期決算が1年ぶりの赤字となったことから、1ドル=90円84銭付近の安値をつけたが、その後、ダウ工業株30種平均が上げ幅を拡大。これを受けドルが買い戻され、91円台前半で推移した。
- 前日の米国市場ではダウとS&Pが15カ月ぶりの高値で引けたほか、ナスダックも終値で16カ月ぶりの高値をつけたが、ユーロ/円の上昇余地は限定的との見方が多い。
- 米国では、多くのメディアを通じて「プランジ・プロテクション・チーム」(PPT)(市場の急落を阻止するチーム)の存在が認識されているが、金融市場では、PPTが最近の米国株式市場で再び活発に動き出した、との観測も聞かれる。
- 「最近はニューヨーク終盤の午後2時過ぎから株価が不自然な上昇をするケースが増えていて、PPTの影が濃い」(アナリスト)
- PPTは87年のブラックマンデー直後に、レーガン大統領が相場の急落を回避するために、密かに編成したチームで、FRB、財務省、SEC(証券取引委員会)、CFTC(商品先物取引委員会)のトップ等によって構成されていた。PPTは現在も存続しており、ポールソン財務長官在任時には相場の安定のみならず、金融危機回避のために幅広く活動していたという。
昨夜はシティグループが赤字決算を発表した。今夜はバンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴ、スターバックス、イーベイ等、誰もが知っている米大手企業の決算発表を控えている。アメリカの景気先行きの不透明感が強まっている昨今、大手企業の決算発表の相場への影響は少なくなさそうだ。今夜もPPTが活躍するのだろうか。。。(編集部)