失業率低下で豪ドル急伸、米小売売上高は?…2010/1/14
オーストラリア失業率低下で豪ドル急伸
- 午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、朝方発表されたオーストラリアの失業率低下を背景に円を売って豪ドルを買う動きが出て、つれてドルも対円でじり高となった。
- 米国の金利上昇もドル円相場を下支えした。豪失業率の発表直後は小動きが続いていたが、正午前に値を伸ばす展開となった。
- アジア時間に発表された豪12月雇用統計が予想以上の好結果となった事で、RBA(豪準備銀行)が2月の政策会合で追加利上げを実施する可能性が高まっている。
- 次回の政策会合は2月2日に予定されている。
中国の預金準備率引き上げでリスク回避が進んだ昨日に対し、本日はオーストラリアの雇用統計改善でリスク選好にじわりとシフトした。豪ドルにつれて、ユーロをはじめ、クロス円は全体に上昇している。逆張りをしていたFXユーザーには嬉しい展開となった。
地元紙によれば、オーストラリアの小売り大手、複合企業ウエスファーマーズの売上は前年比62.7%増で、2003年~2009年の間の成長率は世界で2番目の速さだとか。
2月2日の会合でオーストラリアの政策金利が引き上げられれば、豪ドルは投資対象としてさらに注目されそうだ。(編集部)
12月の米小売売上高は、3カ月連続での増加か
- 米商務省が14日発表する2009年12月の小売売上高は、3カ月連続での増加となったようだ。年末商戦での値引き販売が追い風になったとエコノミストらはみている。
- 「個人消費の伸びはそれほど大きくないが、目の当たりにしている経済全般の回復を反映している」「繰延需要が満たされ、激しい不安の時期は過ぎ去っただろう」(JPモルガン・チェースのエコノミスト、マイケル・フェロリ氏)
- (豪雇用統計改善による)リスク・オンの勢いはそう強くない。「きょうの12月米小売売上高が悪ければ、ひっくり返される懸念もあり、豪ドル買いの勢いはそれほど強くない。もともとのセンチメントが大きくリスク選好に傾いていたわけではないため、豪ドルがけん引して大規模なリスク・オンが起きることはないだろう」(みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏)
- ドル/円については、実需の動きが限定的なこともレンジ感を強めている。「輸出企業は1-3月期の手当てをほぼ終えており、4-6月については米景気回復を織り込んだドルの上昇を待つ形で今の水準では動かない。一方、輸入企業にも焦って買う動きはみられない」(みずほコーポレート銀行、唐鎌氏)
12月の米小売売上高の発表は今夜の22:30。同時刻にはトリシェECB総裁の記者会見も控えている。今夜はユーロとドルの動きを注視しよう。
FXユーザーの豪ドルの買い持ちは、かなり膨らんでいるようだ。中長期投資にはリスク管理がポイント。無理のないレバレッジが長めのスパンでの利益を確実にするはずだから。(編集部)