中国の金融引き締め発表を契機に資源国通貨下落…2010/1/13
中国の金融引き締め発表を契機に資源国通貨下落
- (12日に)中国人民銀行(中央銀行)が銀行の預金準備率を18日から0.5%ポイント引き上げることを発表したことを受け、中国の需要が後退し世界的な景気回復が鈍化することへの懸念が高まった。
- 同発表を受け、金価格が下落。豪ドルやニュージーランドドル、カナダドルといった資源国通貨も軒並み対ドルで値を下げた。また、対円でも売られた。
- 「クロス円で円が買われやすい地合いは今日の東京市場でも続くだろう」(外為アナリスト)
- 「中国の金融引き締めは既に年初から始まっているので、預金準備率引き上げは予想の範囲内」(投資顧問会社)との指摘もあるなか、「豪ドルやニュージーランドドル、カナダドルなどこれまで上昇トレンドを維持してきた資源国通貨をいったん手仕舞う口実になった」(外為アナリスト)という。
- みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、米早期利上げ期待の後退が波及し、長めの米金利も大きく低下したことが全般的なドル安要因になっているほか、欧米株安を受けてリスク収縮的な円高が進んだと説明。ただ、ドル・円相場は海外市場に付けた円の高値から戻しており、目先は一つの下限とみられていた1ドル=91円を維持する可能性が高いとしたうえで、株価が下げ渋ったり、世界景気にとっての好材料などが出てくれば、「若干戻す要因にはなる」とみている。
中国人民銀行の発表を受けて、一時90円73銭まで進行したドル安・円高は一服したようだ。世界経済を牽引してきた中国の金融引き締めのニュースで世界の金融が大きく動いた。特に中国と関連の強い豪ドルの下げが目立った。上海などの住宅価格の急上昇や投機マネーへの警戒を考えれば「予想の範囲内」なのだろう。中国株の動きにも目を配っておきたい。
米ドルユーロが弱く、残った日本円が結果的に買われる。これは、つい最近にも経験したこと。明日の「小売売上高」「新規失業保険申請件数」の米経済指標発表後の動きにも注意したい。(編集部)
GDPデフレータの推移で日・中・米・豪を比べてみた
中国・日本・アメリカ・オーストラリアを過去10年のGDPデフレータの推移のグラフで比べてみた。日本のデフレ傾向は、やはり顕著だ。日本の「円」は「弱い」のだ。(編集部)