波状的なドル買い、輸出業者のドル売り攻防抜ける…2009/12/17
ドル90円台に続伸、FOMCの声明が追い風
- 米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明は、超低金利政策を長期間継続する姿勢を改めて示したものの、労働・金融市場に対する見方を上方修正。その後の米長期金利の上昇も追い風となり、ドル円は東京市場に入り、90円ちょうどを突破した。
- 「流動性供給策を延長しない方針を示したこともドルの買い材料となった」(邦銀)
- 「90円ちょうどに大量のドル売り・円買い注文が入っていた。通常であればこなせる規模だが、商いの薄さが邪魔した」(FX業者)
- FOMCの声明では「金利を長期間極めて低い水準に維持すると再確約」することが示された。ただ、「大半の特別流動性制度、2月1日期限切れると予想」「TALFの終了予定日、新規CMBSは6月30日、他のローンは3月31日」「期間が長めの証券購入、第1四半期末までに完了の見通し」など、非伝統的政策について期限を示している。
本日未明、NY時間の終わりが近づいた頃、数分でドル売りが一転してドル買いに反転した。これに先立って発表された米住宅関連の経済指標も良い数字だった。
東京時間では、この流れを引き継いでいる。90円を境に集中していた輸出業者のドル売り円買いも抜けた。利上げ期待感が後退した豪ドルの下落、ユーロ不信もドル上昇の追い風となっているようだ。(編集部)
ユーロは3カ月ぶりの安値、下げ幅拡大
- 幅広いドル買いの流れのなかで、ユーロ/ドルの1.4480ドルにあったストップロスをつけて下げが加速したという。
- 「豪ドル/米ドルにも一段の下げ余地がありそうだ。0.89ドル前半をねらいにいく動きがでるかもしれない。スパイラル的にドル買いが進む可能性がある」(国内銀行)
- 「きょうは様々な主体がドル買いに動いている。ユーロの下抜けで勢いがついている印象だ」(外銀)
ユーロの先安感にFOMCの声明が追い風となったドルの全面高、予想以上に勢いがある。
ドル/円の心理的な節目の90円突破、次は90.20円あたりに集中しているドル売り注文の壁。ドルキャリーで積み上がったユーロの買い持ちポジションの損失確定売りもボリュームがありそう。
「もう は まだ なり、まだ は もう なり」…冷静になりたい時に思い出す投資の格言。年末モードには慎重に向き合いたい。(編集部)