ドバイ不信後退後もユーロ不安定は後退せず…2009/12/15
ドバイ不信後退後もユーロ不安定は後退せず
- 15日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、小動き。強含みだが、ドバイ懸念が緩和したにしては買い上がるムードに乏しい。
- 「ギリシャ問題が依然くすぶっているほか、原油相場が下落していることもあって上昇余地が限定的となっている」(バークレイズ銀行東京支店の山本雅文チーフFXストラテジスト)
- 米株式市場では、ダウが14カ月ぶりの高値で引けたが、「米国株高を受けクロス円は(海外市場で)底堅かったものの、大きな上昇とはならなかった。ギリシャ首相の発言など、ユーロ圏の不安定さが払しょくできない状態にある」(外為アナリスト)
- ギリシャのパパンドレウ首相は14日、巨額の財政赤字削減に向けた一連の措置を発表した。(中略)ただ、首相はギリシャが深刻な状況にある、とも述べており、市場はギリシャの債務問題について依然厳しい目を向けている。
昨日、アブダビによるドバイワールド傘下の不動産会社ナキールへの100億ドル援助のニュースで、ユーロが対ドルで上昇したものの、上値が重い。なんとか昨日の償還期限をこなしたものの、年初には再び償還期限を迎える。膨大な負債は根が深い。ギリシャやスペインの格下げも深刻。
それにしても、円高は不思議だ。財政赤字はギリシャの約2倍という悲惨さ。IMFの予測では2014年には一般政務債務は対GDPの246%にもなるという。日本がシングルAに降格となる可能性も否定できない。(編集部)
ユーロの先行き不安でFXユーザーは何をしているか
ユーロの戻りが悪い。長引くドル安でドル建てでユーロ買いのポジションが膨らんでいたはずだ。ユーロの先安感でポジション調整も少なくないだろう。機関投資家だけではなくFXユーザーも同じ。年末需要も考慮して慎重に行動したい。
ユーロ不安でドルキャリートレードが、どう変化するのか。以下はFX業界最大手の外為どっとコムのFXユーザーのポジション比率。(編集部)
出典:外為どっとコム