豪ドル全面高、豪雇用統計が市場予想を上回る…2009/12/10
豪ドル急伸、豪11月就業者数は大幅増、失業者数は減
- 豪11月新規雇用者数は3.12万人と事前予想(0.5万人)を上回る結果に。また内訳を見ると、常勤雇用者数が前回の0.56万→3.08万人、非常勤雇用者数が2.16万人→0.03万人となっている。常勤雇用者数が大幅に増加していることから、豪労働市場の改善が窺える。
- 先ほど発表された豪11月失業率は5.7%と事前予想(5.9%)を下回る結果に。今回の結果はRBA(豪準備銀)声明での「労働状況改善の初期兆候がある」をサポートするものに。
本日オセアニア時間に発表された豪雇用統計は、豪経済の回復を裏付ける結果となった。豪ドルは全ての通貨に対して急伸。特にドバイショック、ギリシャとスペインの格付け引き下げ等で信用力の低下している欧州通貨に対しての上げ幅が大きい。
数か月前のウォールストリートジャーナルの記事「ポンド建ての豪ドル運用が最も利幅が大きい」を思い返している。ポンド建てはマニアックだが、豪ドル/米ドルや豪ドル/ユーロは最近人気の通貨ペアだ。(編集部)
オーストラリアでは3度の利上げに国民も食傷気味
- 12月1日、連邦銀行は、政策金利をさらに25ベーシス・ポイント引き上げ、利率を3.75%としたが、国内4大銀行のうち3銀行が政策金利上昇幅をはるかに上回る率で標準変動住宅ローン利率を引き上げた。
- 住宅ローンを抱えている消費者の信頼感指数は、12月に入って8.9%低下している一方で借家人の景況感は1.6%上昇、またローンなしの住宅所有者は4.1%減少した。
豪エコノミストによれば、政策金利が10月から0.75ポイントも引き上げられたわりには、消費者マインドの落ち込みは少ないという。証券市場の伸び、豪ドル高、ガソリン価格の安定に支えられ、今後の経済状況が楽観されていることが消費者マインドを下支えしているとか。
本日の雇用統計の結果を受けて、2月に予想されていた政策金利の利上げの可能性が高まったという。しばらくの間は、豪ドルは継続する米ドル安のキャリートレードで美味しい通貨ということになりそうだ。(編集部)