ドル87円後半で上値試し、クロス円が押し上げ…2009/12/03
ドル87円後半で上値試し、クロス円が押し上げ
- 午前9時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点から上昇し、87円後半で上値を試す展開になっている。
- 金先物が過去最高値を更新し、米国株先物や日経平均.N225が堅調なことからリスク選好ムードが強まっており、ドルと円が幅広く売られている。
- 「クロス円の上昇がドル/円を底上げしている。88円くらいまでの上昇はありそうだ。一方で、ユーロ/ドルの1.51ドル台、豪ドル/米ドルの0.93ドル台が重くなってきており、今のリスク選好でこれを抜けるかどうかだ」(国内銀行)
- (昨晩発表の米ADP雇用者数は)8カ月連続減となったものの、事前予想より数値が悪く、一時的にドル売り・円買いが優勢となったが、、米国の超長期金利への懸念がドル円の水準を押し下げた格好。
- 鳩山首相による円高けん制発言が通貨介入への警戒感をつのらせたこともドル買い・円売りにつながり、87円台での取り引きが続いている。
- 邦銀関係者は「当局が市場に介入することが考慮されたまま動きが続いている」と述べ、ドル円の底堅い動きが続くとみている。
金価格の上昇は通貨不安の深刻さを裏付ける。いにしえの金融大国である英国の通貨『ポンド』が危機に直面している。英国債の格付けがAAAから引き下げられる恐れがあるという。昨日掲載した東京金融取引所の公的FX『くりっく365』ユーザーの昨日の売買比率でも、英ポンド/豪ドルのショート(豪ドル建てでポンドを売る)を仕掛けているユーザーが見える。
市場はクロス円(米ドル以外の通貨と日本円のペア)に向いている。弱体化した米ドルがクロス円に押し上げられている状況に基軸通貨の意味合いを再認識させられる。
介入の懸念は消えていない。鳩山首相は、円高けん制発言を繰り返している。日銀の白川総裁は3日から7日までの5日間ニューヨークに出張中だとか。明日のビッグイベント『米雇用統計』の結果次第では、ドル安が加速する可能性もある。最近の荒れ相場、FXでリスクをチャンスにするのは資金管理!(編集部)