量的緩和と為替介入…ドバイショック後の行方…2009/12/01

量的緩和と為替介入が円高是正へのメッセージ

• 「量的緩和に仮になれば経済効果がある」（藤井財務相）
• 「日銀はリップサービスだけでは対応できない、対策・中身を具体的に」（亀井金融担当相）
• 「円高進行で政府は相当焦っている。量的緩和と為替介入が円高是正に向けて一番わかりやすいメッセージであり、日銀は量的緩和に追い込まれることになりそうだ」（大手銀行）
• ドバイ・ショックへの対応で藤井財務相は「現在、財務官が米国に出張している」ことを明らかにし、市場では「介入に向けた交渉ではないか」（大手銀行）との声が上がった。

（東京外為市場・午前9時＝ドル86円前半、量的緩和求める政府の圧力に注目 | Reuters）

UAE(アラブ首長国連邦)の中央銀行が自国銀行と国内の外銀を支援すると表明したことで、ドバイショックは一服。が、市場はリスク選好に方向転換するほど楽観していないようだ。ドル安が止まらない中、今回のドバイショックは金融危機の二番底懸念を浮き彫りにした。

円高に寛容だった民主党も、さすがに腰をあげた様子。日銀への圧力は強まっている。為替介入も無いとは言えない。輸出を促進したい米国とユーロ圏が「ウン」と言えば、介入となるかもしれない。

とにかく、こういう局面では情報をマメにチェックしたい。ドバイショックでFXの取引高は跳ね上がっている。リスク管理さえできれば、ピンチがチャンスになるのがFXだから…。（編集部）

RBA(豪準備銀行)政策金利は引き上げ、3.75%に

• オーストラリア準備銀行（RBA）は１日、政策金利を0.25％引き上げて3.75％とした。利上げは事前の市場予想通り。豪中銀が３カ月続けて利上げをするのは初めて。

（ユーロ1.4979ドルまで下落、対円の上昇きっかけにドル全般しっかり | Reuters）

• 「金融刺激を段階的に解除する」「金融政策スタンスの大幅な調整は、成長維持を支援」「オーストラリアの低迷は比較的緩やか」「インフレ率はピークから下がってきている」「豪ドルの上昇は貿易財の価格抑制に寄与する」（RBAの声明）

（マーケットニュース | ひまわり証券）

RBA(豪準備銀行)は予想通りに政策金利を引き上げた。ドバイショックの影響もあり、利上げを見送るとの一部の市場予測に反した形だ。政策金利発表時のRBA(豪中銀)の声明からもオーストラリア経済の力強さがうかがわれる。昨年前半までのオーストラリアのインフレも「上手く調整できているよ」とのこと。デフレに苦戦する日本から見ると、うらやましい。

今夜24:00には米ISM製造業景況指数、2日には米地区連銀景況報告（ベージュブック）、3日に欧州中銀理事会があり、週末4日には米雇用統計の発表を控えている。目先の相場激変に気をとられて、大きな流れを見逃さないようにしたい。（編集部）