ドバイショックの影響、為替介入懸念~14年ぶり円高…2009/11/27
14年ぶり円高の1ドル=84円台、ドバイショックが影響
- 「(ドルは)85円付近にあったストップロスをつけて84.82円まで下落した。ただ、もっとドル安が進むとの見方もあったが、案外ドルが走らなかったことで、いったんはドル売りが落ち着いたようだ。藤井財務相のコメントなどを手掛かりに買い戻しが入っている」(外銀)
- アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の資金繰り危機問題を背景に、ドバイ向け債権が多いとされるユーロを売り円を買う動きが進行した。
- ドバイ危機への懸念で対ドルでもユーロ売りが先行。1.4933ドル近辺までユーロは下がった。その後は急速なユーロ安の反動もあり、ユーロ安にひとまず歯止めがかかっている。
急速な円の全面高は、予想を遥かに上回るスピードで進んだ。やはり85円付近のストップロス(損失確定売り)が激しかった。今回はさらにドバイショックも重なり、為替相場の歴史に残る激動をむかえた。
こうなると、気になるのは為替介入と仕掛け的な売買による影響。藤井財務相をはじめ、要人発言には要注意だ。(編集部)
気になる為替介入の行方~要人・専門家発言
- 「一方的な偏った動きであること間違いない」「過度な動きには適切に対応」「今の動きは異常」「適切な措置をとることもあり得る」「非常に緊張して注視している」(藤井財務相)
- これに先立って亀井金融担当相は、急速なドル安トレンドの中で、日本の対応と合わせ、国際社会が対応をまとめるべきだと財務相に話したと(藤井財務相は)発言している。
- 「ドバイ政府系企業問題で欧州通貨安/円高が進んだ流れが続いている。(ドバイ政府系企業問題は)ポジション調整的なドル買い戻しの口実に使われた可能性もあるが、問題がどう波及していくのかは要注意」(都銀)
- 「景気減速を懸念する鳩山由紀夫内閣が7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)による緊急声明に漕ぎ着け、2004年3月以来となる円売り介入に踏み切る可能性もある」「(円高がさらに進めば)株安・景気減速を通じ、支持率の低下をもたらしかねない。来夏に参院選を控え、容認されるとは考えにくい」「ドル安進行は米株式・債券市場を動揺させる恐れもあるため、昨年10月のようにG7の緊急声明を出し、協調体制の下で日本が先行して単独介入する手がある」(バークレイズ銀行東京支店の山本雅文チーフFXストラテジスト)
相場を激変させる要因が目白押し。介入懸念、ドバイショック、週末、年末…。リーマンショックから1年余。世界経済のリハビリはまだまだ先が長い。
「大きく損をしないこと」がFXの肝。『まさか』の相場急変を想定して、資金管理を徹底しよう。証拠金維持率をしっかり確認! 評価益で新たにポジションを建てている場合は、運用額の資金に対するレバレッジをきちんと把握しておくべき。(編集部)