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「強いドル」は遠い~ドル安、FXユーザーはどうしている?…2009/11/12
ガイトナー米財務長官の「強いドル」発言の効果が上がらない
  • 米金融機関は計2000億ドル(約18兆円)の公的資金注入を受けながら、失業者の増加や企業倒産増、規制当局による監督強化のなかで融資を制限している。
  • 米連邦準備制度理事会(FRB)のデータによると、商業や産業向け融資は2008年10月以降、17%減少した。
  • 「銀行が融資に消極的なため、エコノミストや投資家の予想以上に米景気は鈍化し短期金利は長期にわたって低位推移する」「深刻な問題だ。2010年の景気は大方の見方よりもかなり弱いままとなる恐れがあり、FRBは政策金利をほぼゼロ%で来年いっぱい据え置く公算が大きい」(米ゴールドマン・サックス・グループの主任米国エコノミスト、ジャン・ハッチウス氏)

(バフェット氏の勇気、米銀持てず-ガイトナー財務長官の努力も徒労に|Bloomberg)

ガイトナー米財務長官は「強いドルは米国と米国の貿易・投資パートナーにとって良いことだ」という「強いドル」発言を繰り返しているが、ドル安は止まる気配を見せない。当分ゼロ金利政策となれば、ますますドルキャリートレードの傾向が強まる。かつてミセスワタナベを生んだ円キャリートレードの時代からドルキャリートレードの時代へと変遷をとげたFX市場。今、FXユーザーは何を目論んでいるのか、次項で東京金融取引所のデータを参照してみる。(編集部)

今、FXユーザーは何をしているか~東京金融取引所のデータ

東京金融取引所が提供するFX「くりっく365」のデータを見てみた。「くりっく365」の口座数はリーマンショック直前の2008年8月比で1.8倍超えだ。10月の月間取引数量は7,393,098枚(前月比30.3%増)、一日平均取引数量は336,050枚(前月比30.3%増)、月末時点の建玉数量は481,258枚(前月比14.3%増)となり、いずれも「くりっく365」上場以来の最高水準(参照:東京金融取引所データ)。
下記は、2005年7月から2009年10月までの取引数量と建玉数量の推移。リーマンショックで激減した取引数量が最近のドル安の時期と重なって急増している。

取引数量と建玉数量の推移
出典:東京金融取引所

ところで、ドル安が進む今、FXユーザーは何をしているのか。下記は「くりっく365」ユーザーの2006年7月から2009年10月までのドル円と豪ドル円の買いポジション(黄色の部分)・売りポジション(青色の部分)と価格の推移(緑のライン)を示したグラフだ。リーマンショックの2008年9月には赤いラインを入れた。

取引数量と建玉数量の推移
出典:東京金融取引所

取引数量と建玉数量の推移
出典:東京金融取引所

ドル円ではドルの下降に対してドル買いが急増している。安いドルを今のうちに買っておこうということだろうか。ドルが上昇するまでには、まだまだ時間がかかりそうだが。
一方、豪ドル円は豪ドル価格の上昇と比例して買いポジションも増えている。素直にトレンドを追いかけている様子がよくわかる。さて、あなは相場をどう読む?(編集部)

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