中国の景気拡大指標の影響は限定的、米市場は休場…2009/11/11
中国の景気拡大指標の影響は限定的、米市場は休場
- 中国の景気拡大継続を示す一連の指標を受け、ユーロや豪ドルが一時的に上昇したものの、リスクテークの動きは、ニューヨーク市場の休場を意識した短期筋の利食い売りに押され、早々に息切れした。
- 前日の藤井財務相とガイトナー米財務長官との会談で、米国の積極的なドル安阻止姿勢が見られなかったこともドル売り安心感を誘った。
- 「豪ドル/米ドルなど全般に上値が重かったために逆に売られたとみている。きょうは米国市場が休場のためポジション調整が起きやすい。指標の事前観測で買って事実を確認して売ったのだろう」(ソシエテジェネラル銀行外国為替本部長、斎藤裕司氏)
継続するドル安は世界経済に様々な波紋を投げかけている。2番底の可能性も十分にあり得る。ゼーリック世界銀行総裁の「グローバル経済は2010年に危機に直面するだろう」という発言は、全世界で進行する失業率の増加が経済与える影響を予言している。 今朝発表されたオーストラリアの11月ウェストパック消費者信頼感指数は-2.5%となった。RBAの2度の政策金利の引き上げが影響したという。が、市場は追加利上げを予想しているようだ。(編集部)
豪連邦準備銀(RBA)の利上げ実施確立は76%の予想
- NAB(ナショナル・オーストラリア銀)は国内総生産(GDP)について、09年に0.5%増の1.0%に上昇し、10年には2.5%に拡大するとの予測を示している。また、失業率は前回予想していた6.75%を6.5%に下方修正。豪ドル高も継続し、インフレ率は来年末までに2.0%増加すると見込んでいる。
- 市場では、豪連邦準備銀(RBA)が来年3月までの理事会で毎回0.25ポイントの利上げを実施するとの見方が有力。投資家は、来月の理事会で0.25ポイントの利上げが実施される確率を76%とみている。
ガイトナー長官の「強いドルを維持することが、米国にとっても、米経済の健全性にとっても極めて重要だ」という発言と裏腹にドル安が進んでいる。資源国・輸出国のオーストラリアにとっても重要な意味を持つ。市場のRBAの利上げ予測には、こうした背景もあるだろう。今日は上値が重い豪ドル/米ドルだが、まだドルキャリートレード傾向は続きそうだ。(編集部)