FOMCの声明でドル売り圧力、明日の米雇用統計に注目…2009/11/5
FOMCの声明でドル売り圧力じわじわ
- (前日の海外市場では)米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で長期間低金利を継続する意向が示されると、ドル売り圧力がじわじわと高まった。
- 「投資家は出口が遠のき、インフレリスクが高まったと判断した」(欧州系銀行)
- 長期間低金利を継続することは「ドルキャリートレードの追い風になる」(FX業者)
- 「米連邦公開市場委員会(FOMC)の結論はキャリー・トレード維持だが、決算期をにらんだファンド勢の利食い売りなども予想され、需給面からキャリー一辺倒ではいきにくくなっている」(国内銀行)
- 10月30日に設定されたSMBC・日興ニューワールド債券ファンドは、外貨関連分が1785億円、ブラジルレアルコースだけで956億円を集める大型設定になり、円売り要因として注目されたが、その後の追加設定でさらに規模が拡大している。
出口戦略は慎重に穏やかに…傷を癒す為にはこれが良さそう。ここのところの動きにはユーロ/ドルで短期というトレーダーが多いのではないだろうか。
今夜はBOE(英中銀)とECB(欧州中銀)の政策金利発表を控えており、その直後のトリシェECB総裁の記者会見に注目だ。市場予想は金利据え置き。
欧州委員会は2009年のGDPは4%減少だが、後半はリセッション脱却傾向であり、2010年には0.75%増、2011年には1.5%増と予想している(参照記事:Autumn forecast 2009-2011: EU economy on the road to a gradual recovery)。(編集部)
明日の米雇用統計に注目
- ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、6日発表される10月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比17万5000人減少したとみられている。
- 「雇用の減少幅は前回よりも縮小する見通しにはなっているが、予想よりも悪かった場合は株安につながり、その際は高金利通貨が売られて、クロス円が下落する可能性がある」(シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト本部為替市場調査シニアマーケットアナリスト)
米雇用統計前には証拠金維持率をしっかり確認しておきたい。特に豪ドルや南アフリカランドの中長期運用の評価益で新たなポジションを建てる場合は、原資の評価益の変動と新規のポジションの変動が相乗されるからだ。ポジションごとのレバレッジだけでなく、自分の資金全体に対するレバレッジをきちんと把握しておきたい。(編集部)